令和8年の年末調整はいつから始まり、事業主として具体的に何をすればよいのでしょうか?この記事では、従業員への申告書の配布・回収から、税務署や市区町村への法定調書提出に至るまでの一連の流れとスケジュールをわかりやすく解説します。結論として、実務は11月頃からスタートし、翌年1月末の提出期限までに還付や追加徴収の精算を終える必要があります。さらに、令和8年特有の基礎控除の引き上げや所得要件の変更点も網羅しているため、事前準備のポイントが分かり、スムーズでミスのない年末調整業務を実現できます。
1. 事業主が知るべき令和8年の年末調整はいつからいつまで実施するか
年末調整は、事業主にとって毎年必ず行わなければならない重要な業務の一つです。令和8年(2026年)の年末調整をスムーズに進めるためには、全体のスケジュールを正しく把握し、計画的に準備を進めることが不可欠です。ここでは、令和8年の年末調整がいつから始まり、いつまでに完了させるべきか、具体的な実施時期について解説します。

1.1 令和8年分の年末調整が適用されるタイミングと実施時期
年末調整は、原則としてその年の最後に給与を支払うタイミングで行います。多くの企業では12月の給与支払い時、または12月の賞与支給時に合わせて実施されます。そのため、実務上のスタートは11月頃から始まります。
具体的なスケジュールとしては、11月上旬から中旬にかけて従業員へ各種申告書を配布し、11月末から12月上旬までに回収と内容確認を完了させるのが一般的な流れです。従業員から提出された「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」、生命保険料控除証明書などの書類をもとに、年間の所得税額を確定させます。
その後、12月の最終給与(または賞与)で源泉徴収税額の過不足を精算し、従業員へ還付または追加徴収を行います。さらに、翌年(令和9年)の1月31日までに、税務署への法定調書の提出および市区町村への給与支払報告書の提出を完了させる必要があります。なお、令和9年1月31日は日曜日にあたります。提出期限が日曜日等にあたる場合、期限はその翌日となるため、令和8年分の法定調書および給与支払報告書の提出期限は令和9年2月1日(月)となる見込みです。ただし、余裕をもって1月中に完了させることをおすすめします。
この1月末の期限を過ぎるとペナルティが発生する可能性があるため、事業主は余裕を持ったスケジュール管理を行うことが求められます。
1.2 事業主が注意すべき12月の年末調整と翌年1月の給与計算の違い
年末調整の時期において、事業主や給与計算担当者が特に混同しやすいのが、12月に行う年末調整の精算業務と、翌年1月の通常の給与計算の違いです。これらは目的や適用されるルールが異なるため、正確に区別して処理しなければなりません。
1.2.1 12月の給与計算における年末調整の精算
12月の給与計算では、その年の1月から12月までに支払った給与と賞与の総額をもとに、正しい年税額を計算します。毎月の給与から概算で天引き(源泉徴収)していた税額の合計と、年末調整で確定した本来の年税額を比較し、多く徴収しすぎていた場合は差額を還付し、不足していた場合は追加で徴収する精算処理を行います。これが年末調整のメインとなる作業です。
1.2.2 翌年1月の給与計算から適用される新しいルール
一方、翌年1月に支払う給与からは、新しい年(令和9年分)の所得税計算がスタートします。ここで事業主が注意すべきなのは、前年の年末調整で従業員から提出された「令和9年分の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の内容に基づき、新しい扶養親族の状況などを反映させて源泉徴収を行う点です。
令和8年分については、この点に特に注意が必要です。令和8年度税制改正は令和8年12月1日の施行であるため、令和8年中の月次の源泉徴収税額表は改正前のままです。改正を反映した新しい源泉徴収税額表は、令和9年1月に支払う給与から適用されます。
つまり令和8年は、月々の給与計算は従来どおり行い、12月の年末調整で改正分をまとめて精算するという流れになります。月次の計算を年の途中で変更する必要はありません。
給与計算システムについては、12月の年末調整用のアップデートと、令和9年1月の税額表切り替えという2段階の対応が必要になります。どちらも漏れがないよう、事前にベンダーへ提供時期を確認しておきましょう。
2. 事業主が令和8年の年末調整で何をするのか必要な手続きと流れ
年末調整は、事業主が従業員に代わって1年間の所得税を正確に計算し、すでに源泉徴収した税額との過不足を精算する重要な業務です。ここでは、事業主が令和8年の年末調整において具体的に何をする必要があるのか、一連の手続きと流れを詳しく解説します。

2.1 年末調整の案内から申告書の回収までの実務ステップ
年末調整の業務は、従業員への案内と必要書類の配布から始まります。一般的には10月下旬から11月上旬にかけて、従業員へ年末調整の実施スケジュールと提出期限を周知します。この際、従業員に記入・提出してもらう主な申告書は以下の通りです。
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書
- 給与所得者の保険料控除申告書
- 住宅借入金等特別控除申告書(該当者のみ)
なお、令和8年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」では、記載欄が従来の「控除対象扶養親族」から「源泉控除対象親族」に変更されています。源泉控除対象親族には、控除対象扶養親族のほか、19歳以上23歳未満で合計所得金額の見積額が58万円超100万円以下の特定親族が含まれます。
ここに記載された特定親族については、各月の給与の源泉徴収においても控除が反映されます。令和7年分までは年末調整でのみ適用されていたため、令和8年分以後は申告書の記載内容が月次給与計算にも影響する点に注意してください。
なお、合計所得金額が100万円超123万円以下の特定親族は月次の源泉徴収では考慮されず、年末調整で「特定親族特別控除申告書」を提出することで控除の適用を受けます。
従業員から申告書を回収する際は、生命保険料控除証明書や地震保険料控除証明書、住宅ローンの年末残高等証明書など、申告内容を裏付ける各種証明書が正しく添付されているかを必ず確認することが重要です。書類の不備や提出遅れは後続の計算業務に大きな影響を与えるため、余裕を持った回収期限を設定し、未提出者への督促を迅速に行う体制を整えましょう。
2.2 控除額の計算と還付金や追加徴収の精算業務
書類の回収と確認が完了したら、次に行うのが所得税の再計算と精算業務です。従業員ごとに1月1日から12月31日までに支払った給与および賞与の総額を算出し、給与所得控除を差し引いて給与所得金額を求めます。そこから、回収した申告書に基づいて基礎控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除などの各種所得控除を差し引き、課税される所得金額を確定させます。
算出された年調年税額と、毎月の給与や賞与から天引きしてきた源泉徴収税額の合計を比較します。源泉徴収税額が年調年税額を上回っている場合は「還付」となり、逆に不足している場合は「追加徴収」として精算を行います。この精算は、原則としてその年の最後に支払う12月の給与または賞与に上乗せ、あるいは差し引く形で行うのが一般的です。
2.3 税務署や市区町村へ提出する法定調書の作成と提出期限
従業員への精算が終わっても、事業主の年末調整業務は完了しません。翌年の1月には、税務署や市区町村に対して各種法定調書を作成し、提出する義務があります。これらの書類の提出期限は、原則として翌年の1月31日までと定められているため、遅滞なく手続きを進める必要があります。
主な提出書類と提出先は以下の通りです。
2.3.1 税務署へ提出する書類
税務署には「給与所得の源泉徴収票」および「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を提出します。ただし、源泉徴収票については、役員や一定の給与額を超える従業員など、提出範囲が定められているため、対象者を正確に把握して作成します。
2.3.2 市区町村へ提出する書類
従業員が翌年の1月1日時点で居住している市区町村に対しては、「給与支払報告書(総括表および個人別明細書)」を提出します。これは、従業員の翌年度の住民税を計算するための極めて重要な書類です。すべての従業員(退職者を含む一定の条件を満たす者)について作成し、各自治体へ漏れなく送付する必要があります。
令和9年1月の提出分からは、法定調書の提出実務が大きく変わります。令和8年分の法定調書がまさに対象となるため、必ず確認してください。
【変更1】電子提出の義務基準が30枚以上に引き下げられます
これまで、法定調書の電子提出(e-Tax、認定クラウド等、光ディスク等)が義務づけられるのは、前々年に提出すべきであった枚数が100枚以上の場合でした。これが令和9年1月1日以後に提出する法定調書から「30枚以上」に引き下げられます。
判定は法定調書の種類ごとに、前々年(令和9年1月提出分であれば令和7年中)に提出した枚数で行います。従業員が30名程度いる事業者であれば対象となる可能性が高く、これまで書面で提出していた多くの中小企業が新たに義務の対象となります。
なお、給与所得の源泉徴収票の電子提出が義務づけられた年分については、市区町村へ提出する給与支払報告書も電子提出が必要になります。
【変更2】源泉徴収票のみなし提出の特例が始まります
令和9年1月1日以降、給与支払報告書を市区町村に提出した場合には、税務署に給与所得の源泉徴収票を提出したものとみなされます。これにより、税務署への源泉徴収票の提出が不要になります。
従来は同じ内容を税務署と市区町村の双方へ提出する必要がありましたが、この手間がなくなります。業務フローの見直しが必要になるため、事前に社内手順書を更新しておきましょう。
電子提出に未対応の場合は、給与計算ソフトのe-Tax・eLTAX連携機能を確認し、年末調整の繁忙期前にテスト送信を行っておくことをおすすめします。業務効率化のためにも、電子申告システムの活用を積極的に検討しましょう。
3. 令和8年の年末調整における大きな変更点と事業主の対応
年末調整の業務をスムーズに進めるためには、税制改正に伴う変更点を正確に把握しておくことが不可欠です。令和8年分の年末調整においても、いくつかの重要な変更が予定されており、事業主や人事労務担当者は早めの対応が求められます。ここでは、令和8年の年末調整で特に注意すべき大きな変更点と、事業主が行うべき具体的な対応策について詳しく解説します。

3.1 基礎控除および給与所得控除の引き上げへの対応
令和8年度税制改正により、基礎控除と給与所得控除がさらに引き上げられます。令和7年分でも引上げが行われましたが、令和8年分では再度の引上げとなります。
【基礎控除】
本則部分が58万円から62万円に引き上げられます。さらに令和8年分・令和9年分については、合計所得金額に応じた特例の上乗せが行われ、合計所得金額489万円以下の方は最大104万円となります(給与収入のみの場合、年間約665万円以下が対象)。合計所得金額489万円超655万円以下の方は67万円です。
【給与所得控除】
最低保障額が65万円から本則69万円に引き上げられ、令和8年分・令和9年分はさらに特例5万円が上乗せされて74万円となります。給与収入190万円以下の方が対象です。
【適用時期に要注意】
これらの改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税について適用されます。つまり令和8年11月までの源泉徴収事務に変更はなく、令和8年12月に行う年末調整から改正後の金額を使用します。
控除額が拡大するため、令和8年の年末調整では例年より還付額が大きくなる従業員が多く見込まれます。従業員から「なぜ今年は還付が多いのか」と質問を受けることを想定し、あらかじめ説明を準備しておくとよいでしょう。
事業主は、年末調整ソフトや給与計算システムが令和8年分の税制改正に完全に対応しているかを事前に確認しなければなりません。クラウド型のシステムを利用している場合は自動でアップデートされることが一般的ですが、インストール型のソフトを使用している場合は、手動での更新作業や新しいバージョンの購入が必要になることがあります。11月の年末調整準備期間に入る前に、システムのアップデート状況を必ずチェックしておきましょう。
3.2 扶養親族等の所得要件変更に伴う対象者の再確認
令和8年の年末調整では、配偶者控除や扶養控除の適用要件、特に扶養親族等の合計所得金額の要件に変更がないかどうかの確認が重要です。令和8年分では、扶養親族等の合計所得金額の要件がさらに引き上げられます。令和7年分で48万円以下から58万円以下となりましたが、令和8年分では62万円以下(給与収入のみの場合136万円以下)となります。所得税は令和8年分以後、個人住民税は令和9年度分以後の適用です。
この改正により、前年は扶養の対象にならなかったご家族が、令和8年分では対象になるケースが生じます。源泉徴収事務では、令和8年12月1日以後に支払う給与等から改正後の取扱いが適用されます。
新たに扶養親族等の要件を満たす親族について扶養控除等の適用を受ける場合は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出が必要です。従業員から申告書を回収する際は、新たに対象となる家族の記載漏れがないかを重点的に確認してください。従業員が申告する扶養親族の年齢や所得要件が、令和8年分の基準を満たしているかを厳密にチェックする必要があります。
事業主の対応としては、従業員に対して「扶養控除等(異動)申告書」を配布する際、所得見積額の計算方法や対象となる家族の範囲について分かりやすいマニュアルやガイドラインを添付することが効果的です。共働き世帯の増加に伴い、配偶者や子供のアルバイト収入が所得上限を超えてしまうケースが多発しています。所得要件の変更点を従業員に分かりやすく周知することで、申告ミスや後日の修正申告を防ぐことができます。
3.3 令和8年分の新様式を用いた申告書の書き方チェック
令和8年度税制改正に伴い、年末調整で使用する各種申告書の様式が変更されています。国税庁から令和8年分の様式がすでに公表されているため、内容を事前に確認しておきましょう。
特に変更が入るのは次の2つです。
給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書
基礎控除額等の引上げに対応し、判定表の金額が改正後のものに変更されています。
給与所得者の保険料控除申告書
生命保険料控除の特例に対応するため、23歳未満の扶養親族の有無を判定できる記載欄が追加されています。
あわせて「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」も、記載欄が「源泉控除対象親族」に変更されています。
事業主は、国税庁が発表する令和8年分の最新の様式をいち早く入手し、記載例を確認しておく必要があります。従業員から回収した申告書をチェックする際は、旧様式を使用していないか、新設された記入欄に漏れがないかを重点的に確認してください。また、ペーパーレス化を進めている企業では、年末調整のWeb申告システムが新様式の入力項目に正しく対応しているかのテスト運用を事前に行うことが、年末の業務ひっ迫を避けるための重要なポイントとなります。
3.4 子育て世帯向けの生命保険料控除の特例
令和8年分では、23歳未満の扶養親族を有する従業員について、一般の生命保険料控除の上限額が引き上げられます。子育て世帯の負担軽減を目的とした特例措置です。
ここで実務上注意が必要なのは、一般の生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を合計した控除額の上限120,000円には変更がないという点です。つまり、介護医療保険料や個人年金保険料ですでに枠を使い切っている従業員の場合、引上げの効果は限定的になります。
事業主の対応としては、次の2点が必要です。
1つ目は、対象者の把握です。23歳未満の扶養親族がいるかどうかで控除額の判定が変わるため、保険料控除申告書の新設された記載欄が正しく記入されているかを確認します。
2つ目は、従業員への説明準備です。「子育て世帯は生命保険料控除が増える」という情報だけが先行すると、実際の還付額との差に問い合わせが集中します。合計の上限は変わらない点を、あらかじめ案内文に記載しておくことをおすすめします。
4. 事業主がトラブルを防ぐために令和8年の年末調整で行うべき対策

年末調整は従業員の税額を確定させる重要な手続きですが、申告書の記載ミスや添付書類の不備など、毎年多くのトラブルが発生しがちです。事業主や人事労務担当者の負担を軽減し、スムーズに業務を完了させるためには、事前の対策が欠かせません。ここでは、令和8年の年末調整においてトラブルを未然に防ぐための具体的な対策と効率化の手法について詳しく解説します。
4.1 従業員の申告漏れや記載ミスを防ぐための確認ポイント
従業員から提出される各種申告書には、専門用語が多く含まれているため、記入ミスや書類の提出漏れが頻発します。事業主は、従業員が間違いやすいポイントをあらかじめ周知し、提出時のチェック体制を整えることが重要です。
4.1.1 生命保険料控除や地震保険料控除の証明書の添付漏れ
毎年最も多いトラブルの一つが、保険料控除申告書に対する「控除証明書」の添付漏れです。特に、10月から11月にかけて各保険会社から送付される証明書を紛失してしまうケースが散見されます。事業主は、年末調整の案内を行う際に、控除証明書を必ず保管しておくよう従業員へ早めにアナウンスすることが求められます。また、電子データ(XML形式)での提出が可能な場合は、マイナポータル連携を活用するよう促すことで、紛失リスクを減らすことができます。
4.1.2 扶養親族の所得見積額の計算誤り
配偶者や扶養親族のパート・アルバイト収入について、所得見積額を誤って申告するケースも多発します。特に、給与収入から給与所得控除を差し引いた「所得金額」を記載すべきところに、「収入金額」をそのまま記載してしまうミスが目立ちます。配偶者控除や扶養控除の適用可否に直結するため、収入と所得の違いを分かりやすい図解やマニュアルで従業員に説明することが、修正の手間を省くための有効な対策となります。
4.1.3 中途入社社員の前職の源泉徴収票の未提出
その年の途中で入社した従業員については、前職の給与と合算して年末調整を行う必要があります。しかし、前職の源泉徴収票の提出が遅れ、年末調整の計算に間に合わないトラブルがよく起こります。中途入社者に対しては、入社時のオリエンテーションの段階で前職の源泉徴収票の提出を義務付け、早めに回収しておくことが重要です。
4.2 電子化やアウトソーシングを活用した効率的な年末調整の進め方
紙ベースでの年末調整は、申告書の配布・回収、内容の目視チェック、給与計算システムへの手入力など、膨大な時間と労力を要します。業務のボトルネックを解消するためには、ITツールの導入や外部専門家の活用を検討すべきです。
4.2.1 年末調整ソフト・クラウドシステムの導入によるペーパーレス化
近年、多くの企業で導入が進んでいるのが、クラウド型の年末調整システムです。従業員はスマートフォンやパソコンから質問に答える形式で申告情報を入力できるため、手書きによる計算ミスや記入漏れを物理的に防ぐことができます。また、マイナポータルと連携して保険料控除証明書などのデータを自動取得できるシステムを導入すれば、従業員と人事担当者双方の負担が劇的に軽減されます。令和8年の年末調整に向けて、自社の規模に合ったシステムの選定と導入準備を進めておくことをお勧めします。
4.2.2 税理士や社会保険労務士へのアウトソーシング(業務委託)
自社に年末調整に詳しい担当者がいない場合や、年末の繁忙期にリソースを割けない場合は、専門家へのアウトソーシングも有力な選択肢です。税理士や社会保険労務士に業務を委託することで、最新の税制改正に正確に対応できるだけでなく、法的なリスクを回避し、正確かつ迅速に年末調整を完了させることができます。ただし、委託する場合でも従業員からのデータ収集は社内で行う必要があるため、スケジュール管理や役割分担について事前に専門家と綿密に打ち合わせをしておくことが成功の鍵となります。
5. まとめ
令和8年の年末調整は、例年通り11月頃から従業員への案内と申告書の回収を開始し、12月の最終給与や賞与で還付・追加徴収の精算を行います。翌年1月31日までに税務署や市区町村へ法定調書等を提出する必要があるため、計画的な進行が不可欠です。
また、基礎控除や給与所得控除の引き上げ、扶養親族の所得要件変更といった制度改定が予定されている場合、新様式での正確な確認が求められます。従業員の申告漏れや記載ミスによるトラブルを防ぎ、事業主の業務負担を軽減するためにも、年末調整ソフトを活用した手続きの電子化やアウトソーシングの導入を積極的に検討しましょう。

※本記事に記載した制度内容は2026年9月時点の情報に基づいています。控除額の具体的な区分や申告書様式については、国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」および「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」で最新の内容をご確認ください。個別の判断にあたっては税理士にご相談ください。










